エアコン取り付け・取り外しの基礎知識と準備物

エアコン取り付け・取り外しの基礎知識と準備物

エアコンの取り付け・取り外しは、快適な住環境を整えるうえで重要な作業です。専門業者に依頼すると費用が高額になるため、DIYで行うことで大幅なコスト削減が可能です。しかし、安全性と効率性を確保するためには、正しい知識と適切な工具が必要不可欠です。また、製品の保証や法規制の面でも注意すべき点があります。ここでは、エアコン工事の基礎知識から実践的な設置手順まで、初心者でも理解できるように解説します。

エアコン取り付け・取り外しの基礎知識と準備物

エアコン設置工事には、室内機と室外機の取り付け、配管工事、電気工事など、複数の作業工程があります。まず必要な工具として、トルクレンチ、フレアツール、真空ポンプ、六角レンチセット、水平器が基本となります。また、配管接続部からの冷媒漏れを防ぐため、フレアナットの適切な締め付けトルク管理が重要です。工事前には必ず設置場所の壁面強度確認や、電源容量の確認も忘れずに行いましょう。作業時は必ず2人以上で行い、安全確保を最優先します。

 

具体例:一般的な6畳用エアコン(重量約9kg)の室内機を設置する場合、壁面には約150kgの耐荷重が必要です。石膏ボードの壁に取り付ける際は、必ず補強板や専用アンカーを使用します。

 

2. DIYで行うエアコン設置の手順とポイント
エアコン設置のDIY作業は、まず室内機の取付位置を決めることから始まります。壁に取付板を固定し、水平器を使って正確な水平を確保します。次に室外機の設置場所を決め、防振・防音対策を施した架台を設置します。両機器を接続する配管は、適切な長さに切断し、フレア加工を施します。配管接続後は真空引きを行い、気密試験で漏れがないことを確認します。電気配線は必ず電源を切った状態で行い、アース線の接続も忘れずに行います。

 

具体例:配管のフレア加工では、銅管を正確に90度で切断し、バリ取りを丁寧に行います。フレア部分の出代(でしろ)は、配管径6.35mmの場合、約1.5mmが標準となります。これを守らないと、冷媒漏れの原因となります。

 

3. プロに依頼するメリットと費用相場
エアコンの取り付け・取り外しをプロに依頼することで、安全かつ確実な作業が保証されます。専門的な知識と経験を持つ業者は、最適な設置位置の提案から、配線工事、ドレン管の取り付けまで、一連の工程を適切に実施できます。また、フロンガスの回収や処理も法令に従って行われるため、環境への配慮も万全です。取り付け位置によって必要な工具や部材も異なりますが、プロは状況に応じた対応が可能です。費用相場は、新規取り付けの場合、標準的な工事で15,000円~25,000円程度、取り外しは8,000円~15,000円が一般的です。特殊な工事や高所作業が必要な場合は追加料金が発生することがあります。

 

【具体例】
・マンション10階での取り付け工事:基本料金25,000円+高所作業料10,000円
・室外機の位置変更を含む移設工事:基本料金20,000円+配管延長工事15,000円
・二階設置の場合の追加足場代:5,000円~10,000円

 

エアコンの取り付け・取り外しは、専門的な知識と技術を必要とする作業です。DIYで行う場合、工具の準備から設置場所の確認、配線工事まで多くの課題がありますが、プロに依頼することで安全で確実な施工が保証されます。また、保証制度があることで、万が一の不具合にも対応可能です。取り付け位置や建物の構造によって工事の難易度や費用は変動しますが、長期的な視点で見ると、プロフェッショナルによる適切な施工は家電の寿命を延ばし、効率的な運転を可能にします。エアコンは快適な生活に欠かせない設備であり、その設置は確実な技術を持つプロに任せることをお勧めします。